法被の柄や模様の意味を知って粋な着こなしを!

あなたは法被と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

シンプルなデザインの法被もありますが、柄の入っている法被も多くあります。

法被は、日本の伝統衣装の1つです。日本ならではの和柄も多く使われています。

どんな柄なのか、柄の入り方はどうなっているか、それによってそれぞれに意味があります。

柄に込められた意味を知ることで、既にお持ちの方はその法被により愛着が湧き、購入を考えている方はどんな柄にすべきか悩んだときに決めやすくなるのではないでしょうか。

本記事では、法被の柄にはどんなものがあるのか、どのような意味を持っているのか、詳しく紹介していきたいと思います。

目次
  1. 法被定番の柄
    1. 市松柄
    2. 吉原柄
    3. 波柄
    4. 桜柄
    5. 麻の葉柄
    6. 鱗(うろこ)柄
    7. 青海波(せいがいは)柄
  2. 腰柄と総柄
    1. 腰柄とは
    2. 総柄とは
  3. 背紋
  4. 衿字とちりけ紋
    1. 衿字とは
    2. ちりけ紋とは
  5. まとめ

定番の柄

法被にはさまざまな柄があり、どれが相応しいというものはありませんが、多くの人がイメージする定番の柄というものがあります。

定番の柄として、「市松柄」「吉原柄」「波柄」「桜柄」「鱗柄」「青海波柄」等が挙げられます。

どれも和柄として人気の柄でもあるので、法被以外にも多くの和物で取り入れられている柄でもあります。

市松柄

市松柄の法被のイメージ

市松柄は、いわゆる市松模様とも呼ばれており、法被以外でも日本人には古くから馴染みのある柄です。江戸時代に、「佐野川市松」という当時の人気歌舞伎役者が白と紺の市松柄の袴を履いたことから人気が出たのがきっかけだそうです。

日本古来の伝統的模様のひとつとして広く知られており、2020年の東京オリンピックのエンブレムに使われていたり、大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎の着ている服のモチーフになっていたりと生活の中で目にする機会も多かったことでしょう。

この市松柄ですが、格子柄が途切れることなくずっと続いている様子から、「永遠」「発展」「繁栄」の意味を表すとされています。

そのため、縁起の良い柄として、現在でも法被だけでなく様々な商品に取り入れられている人気の高い和柄です。

シンプルな柄ではありますが、色の組み合わせにより印象を変えることができるのも魅力のひとつです。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般
  • アニメ関連イベント

吉原柄

吉原柄の法被のイメージ

吉原柄は、吉原つなぎ柄とも呼ばれ、鎖状の模様が規則正しく並んでいる柄を指します。

その意味は、吉原遊郭に由来していると言われており、一度入ったらなかなか解放されないことから名づけられたそうです。

鎖が繋がっている柄ということで、「繋がり」「良縁」「絆」といった意味を持ちます。

また、そこから転じて、人と人をしっかり結び繋げる「団結」という意味も持つようになり、体育祭やスポーツ応援など力を合わせて一致「団結」したいチームで着る法被としても好まれています。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般
  • 運動会・体育祭
  • スポーツ観戦・イベント

波柄

波柄の法被のイメージ

波柄も和柄として、有名な柄のひとつです。

波は繰り返し永遠に寄せては返すものであることから、「永遠」「不滅」という意味があります。

無限に広がっていく波にちなんで、「平穏で幸せな日々がずっと続いていきますように」との人々の願いが込められています。

そして、波と言えば海、海と言えば夏、という連想から夏の祭事やイベントに取り入れられることが多いのが、この波柄の特徴です。

また、「商売が波に乗って上手くいきますように」という意味もあり、「活気」「繁盛」の願いを込めて、催事等の売り出しイベントにも人気があります。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般
  • 夏のイベント
  • 見本市・催事等のビジネスイベント
  • 居酒屋店等、お店のユニフォーム

桜柄

桜柄の法被のイメージ

日本で最も愛されている花といえば、桜でしょう。

日本の象徴とされる花、国花でもあります。

桜は春の訪れを告げる花であるため、桜柄は幸先の良い「物事のはじまり」を意味すると言われています。

また、お花見は五穀豊穣を願うための行事だったということから「豊かさ」を表し、一斉にたくさんの花を咲かせることから「繁栄」を表すものともされています。

見た目も華やかであり、桜といえば日本!ということで、海外の方へのプレゼントやお土産にも選ばれる人気の和柄です。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般
  • 海外の方へのプレゼント・お土産

麻の葉柄

麻の葉柄の法被のイメージ

麻の葉は成長が早く、真っ直ぐに成長していくため、麻の葉柄には「子どもの健やかな成長」の意味があります。

また、「魔除け」「厄除け」の意味があり、古くから産着の柄として人気がありました。

そのため、赤ちゃんや子どもたちが着る法被としてもぴったりの和柄と言えます。

麻の葉と聞くと、葉の色である緑色のイメージが強いかもしれませんが、最近では女児向けにピンク色のものが多く見られますようになりました。

市松柄と並んで、鬼滅の刃を連想される方も多いのではないでしょうか。炭治郎の妹である禰󠄀豆子の着物に使われている柄ですね。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般(特に子ども向け)
  • アニメ関連イベント

鱗(うろこ)柄

鱗柄の法被のイメージ

三角形を並べた柄であり、シンプルな模様であるがゆえに世界中で同様の模様が使われてきた歴史があります。日本でも法被が生まれるよりもずっと昔、弥生時代から見られたとも言われています。

鱗の形に似ていることから、鱗柄と江戸時代の頃に名づけられました。

鱗からは蛇や蝶を連想し、それらは脱皮するという理由から「再生」という意味があります。

また、古くから三角形には魔除けの力があるとされており、鱗は身を守るためのものでもあることから、「魔除け」としての意味もあります。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般

青海波(せいがいは)柄

青海波の法被のイメージ

青海波柄は、波のうねりを表す半円が重なり合って扇形を表しています。

名前の由来は、雅楽の舞曲「青海波」から。

源氏物語の中でも光源氏がこの「青海波」という雅楽を舞う姿が描かれています。

この青海波柄には、穏やかな波がいつまでも広がっている様子から「永遠に続く平和な暮らし」という願いが込められており、古くから縁起の良い柄として用いられています。

前述の波柄と同様に海を連想させることから、夏に多く用いられるモチーフでもあります。

こんなシーンにおすすめ

  • お祭り全般
  • 夏のイベント

腰柄と総柄

腰柄と総柄の各法被のイメージ

法被の柄を入れる場所というのは、大きく2つに分けることができます。それが、腰柄と総柄です。それぞれの特徴をご紹介していきます。

腰柄とは

腰柄とは、その名の通り、腰のあたりを一周するように描かれている柄のことです。

先ほどご紹介した定番の古典的な和柄を使うことも多くありますが、中には屋号や好きな言葉を入れてオリジナリティを出すこともあります。

総柄とは

こちらも字の通り、腰柄に対して、全体にデザインが入っているものを総柄と呼びます。法被全体に柄を入れることができるため、腰柄と比較して華やかで目を引く仕上がりになります。

遠くからでも目立つので、火消しや祭り等に適していると言えるでしょう。

背紋

法被の背紋のイメージ

背紋とは、背中に大きく描かれる文字やモチーフのことです。

背紋はとても目立つので、遠くからでもよく見えます。

背紋の中でポピュラーなものとして、「祭」や「大売出し」と背中に大きくデザインされた法被を見かけることがあると思います。

「祭」と大きく書かれた法被は祭事のために着ているとすぐわかりますし、「大売出し」と大きく書かれた法被はそこで催事をしているのだとすぐわかります。

柄ではなく、文字を背紋として入れ、目立たせることで、どんな理由で法被を着ているのか誰が見てもわかりやすくなるのです。

この背紋には、企業ロゴやチーム名等を入れて作ることもできます。

自分たちの組織名を大きく背紋に入れることで、より連帯感が強まり、一体感が出るのではないでしょうか。

衿字とちりけ紋

法被の襟の部分にも文字を入れることができます。

衿に入れられる場所として、衿字とちりけ紋という2つがあります。

衿字とは

法被の衿字のイメージ

衿字とは衿の前の部分を指し、首のあたりから腹部まで縦に文字を入れることができます。

衿字は、比較的スペースが広いため、祭りの名前やチームの名前等を自由に入れることができます。

背紋とは異なり、正面から見える場所であるため、接した人への印象に残りやすいのが特徴です。

この衿部分ですが、実は取り替えることもできます。

衿と新しいものに付け替えることを「衿替え」と呼び、法被を新調するよりも費用を抑えて雰囲気を変えることができるのです。

また、この衿字には、年齢を表すお祭り用語を入れることもあります。

小学生までの子どもには「小若(こわか)」、中高生くらいになると「中若(なかわか)」、大人向けには「若中」等。

聞きなれない言葉ではありますが、お祭りならではの用語を入れることで、より気分を高めることができるのではないでしょうか。

ちりけ紋とは

法被のちりけ紋のイメージ

衿字に対して、ちりけ紋とは首の後ろのあたりに入れるデザインを指します。

このちりけ紋ですが、お灸の用語で襟首の真ん中の部分を「ちりけ」と言うことから、そう呼ばれているのだそうです。

文字を入れることもできますが、小さなスペースなため、ワンポイントにマークや家紋を入れるのがオススメです。

小さい場所ではありますが、ここにデザインを入れることで、より一層こだわりの法被に仕上げることができます。

まとめ

法被の柄には様々な種類があり、それぞれに意味があります。

柄によって「繁栄」「団結」「平和」等の意味があり、どの柄であっても縁起の良い意味を持つものばかりです。

見た目のデザインだけではなく、その柄の持つ意味を知ることで、法被を着る楽しさや愛着がより一層増えていくことでしょう。

ぜひ、お気に入りの一着を探してみてください。

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